情報安全学

 

情報安全学-(1)
デジタルコミュニケーションの光と影

担当 後藤孝之

  美術・コンピュータグラフィックス制作および人材育成など、現場での作業に従事するようになっていつの間にか30年近くになり、その間社会や家 庭の形態はすっかり変わり、子どもたちの育ち学ぶ環境も大きく変容しました。インターネットの開放や情報技術の目覚しい発展により、パソコンやモバイルによるデジタルコミュニケーションも著しく変貌を遂げ、今では各メディアの再編成が不可欠となっています。

  また教育を取り巻く環境も、
1、少子化(大学入試の主なターゲットである18歳人口の減少)
2、大学の大衆化(かっての「エリート養成機関」から、希望すれば誰もが入学できる教育機関へ)「学生のレベル低下につながる」
3、生涯教育の高まり(団塊世代の定年時期の後押しもあり、幅広い世代に対する「多様な市民知識」教育の展開へ) へと変化しています。

  私自身20年以上CG・ITを使用した美術教育を行ってきました。今ではITコンテンツ制作も美術教育に包含され、企画・プレゼンなど他分野の 授業との垣根も曖昧になりつつあります。また2005年度より縁あって敦賀短大でIT環境を活かした遠隔授業を担当し、実体験できる環境にも恵まれました。以前のeラーニングは、コンテンツ制作やそれを配信する仕組みにコストがかかっていましたが、インフラの発達により最近では手軽に制作利用できる実用 的なツールとなりつつあります。また他のメディアに比べ、一定量のデータを安価でスピーディに情報更新できるのも大きな特徴です。私はeラーニングコンテ ンツをより簡単に作成できる、国連職員教育にも利用されている米国製のASPソフトをデザインを中心にブラッシュアップし、そのブラッシュアップされた ASPソフトは、2005年の12月には東京大学が立ち上げたtodai.tvにも採用されました。eラーニングコンテンツはムービーとスライドデータが揃えば、3時間程度のオーサリングで講座をネット上にアップすることが可能となります。「すばやい情報の配信」「ライブコミュニケーション」「リッチメディアを駆使したeラーニング」このような特徴を生かし、今まで結ばれることのなかった地域や組織の情報共有により、新たな可能性が拡がりつつあります。eラーニングそしてeコミュニケーションの充実は、「いつでも・どこでも・だれとでも」情報を得ることができ、日常においてその共有した情報は、我々を安全な方向に導く道標となるでしょう。

  しかし残念ながらそのツール類(ゲームやソシャルネットワークスなど)は、特に子供たちのこころを大きく蝕んでいるのも現実です。”語る””伝 える””認める”といった対面コミュニケーションが苦手で、自分本位な子供たちが増加してきたように感じています。子供の時期から、”分からなきゃ何をやっても良い!”が氾濫し、ネット上の無責任な発言やゲームによる昼夜逆転など社会参加できなくなっている子供。個人に選択肢があるのだから、個人の責任と言い放って良いのでしょうか?

  功罪両面からの講座を提案したいと考えています。

 

 

情報安全学-(2)
TM法による情報漏洩防止システム

担当 磯田和良

  昨今、各種個人情報を含む大量の電子情報が漏洩する事件が多発しています。我々は、このような社会的な問題に対して解決法を提供したいと考え、TM法という方法・システムを発明いたしました。

  TM法は、電子情報をあたかもシュレッダーにかけたようにバラバラに分割して複数のデータとし、多数の他のデータと共に保存する方法です。この時、どのように分割したか(どのようにすれば元に戻せるか)を記した情報を復元情報として記録し、これを厳重に保管します。復元情報があれば、分割した データから元の電子情報を復元するのは単なるデータの並べ替え(実際にはビットの並べ替え)に過ぎず、非常に高速に復元できます。しかしながら、もし復元情報がないと、元の情報を復元するためには、多数のデータからいくつかデータを取り出して(そのビット情報を)並べてみるという試行を天文学的な数だけ繰り返さなければならなくなり、事実上元のデータを復元することは不可能となります。TM法でパソコン上の電子情報を分割して保存しておくことにより、たと えパソコンごと持ち出されても、復元情報を奪われなければ情報の漏洩を防止できます。

  TM法は、従来の暗号技術とは全く異なる方法であり、暗号化に比べて計算量がはるかに少ないため軽くて高速です。また、暗号では、暗号化された データに1ビットでもずれが生じれば元のデータは復元できなくなりますが、TM法では全データの数十分の1から数百分の1程度、データが不明確になるだけ で、耐障害性が非常に高いのも特徴です。

  また、従来より情報漏洩防止のために用いられている技術にシンクライアントがあります。これは、業務に使用するパソコンなどの端末に一切データ を保存せず、全てのデータはサーバで処理し保存するというシステムです。シンクライアントは、サーバから全てのデータを端末へ送らねばならないので、高速 ネットワークが必須であり、作業の即時性が低下します。また、データの処理・保存の負荷がサーバに集中するので、現在のパソコンの進化の方向に逆行してお り、高コストとなります。更に、専用のサーバとクライアントを使用する必要があるので、シンクライアントのシステム導入のコストは高く、シンクライアントから別のシステムへの移行も難しくなります。それに対して、クライアント・サーバ型のTM法を用いれば、低速のネットワークで十分で、現在のパソコンの高性能化と低価格化の恩恵を十分に享受でき、更に、システムの導入と入れ換えのコストを低く抑えることができます。

  以上のように、TM法は、これまで提供されてきた情報漏洩防止のための各種システムの問題点を解決し、多くの皆様に情報漏洩の心配のないシステムをご提供できる画期的なシステムです。我々は、このTM法の基礎研究から、プログラミング、各種応用システムの開発まで行っており、特許のライセンシングを通して、TM法の普及により情報漏洩の防止を推進していきたいと考えております。

 
 

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