社会(メディア)安全学(1)
メディアと安全学

担当 四戸友也

メディアの果たす安全な社会づくりという視点から捉えてみたい。最近はやりの言葉で言えば「安全で安心な社会」ということになるのだが、忘れが ちだが現代社会は危険性が高まっている。一方でメディア社会が生んだ犯罪も多々見受けられる。こうした犯罪への対応もまたメディアの役割なのである。
一例として挙げられるのが「おれおれ詐欺」。孫や子供に成りすまし、年寄りや親から送金させるというかつては考えられない犯罪が横行している。 電話という目に見えないメディアの存在が犯罪を成立させている。確認作業を行なえば成り立たない犯罪でこうした犯罪を防ぐためにメディアとしてキャンペー ンを張る必要がある。
安全に関するものとしては気象情報もある。気象観測し分析、予報を出すのは気象庁でも、広く情報を伝えるのはメディアである。台風が来れば旅行を取りやめたり、漁師は操業をあきらめる。天気情報は万人の関心事であり安全情報なのである。
気象情報に見られるようにメディアと安全は切り離せない。人々の関心度の高いニュースは身の回りの安全に関するものから優先度がつけられるではないか。町内で連続放火があれば自警団が結成されるかもしれない。子供の誘拐や事件が報じられれば見守り隊の発足である。
災害や犯罪を予防する意味でメディアの役割を評価すると同時に安全な社会を守るという視点での報道がなされているのか改めて検証していくことも大切である。
ただ報道の仕方によってはメディアスクラム(集中的な報道)により取材される人や地域の安全を失うという問題が起きることもある。ある地域がイメージダウンをこうむりいわゆる「風評被害」ということばさえ生まれてしまう。

松本サリン事件では被害者が一時期犯人扱いされてしまったこともある。メディアと人権という視点では論じられてきたが安全という観点からのアプ ローチがあってもよい。様々な専門家が安全という切り口で論じ合う場でメディアの役割とは何かを研究テーマとして取組んでみたい。

Comments

45

Leave a Comments

日本安全学教育研究会【活動指針】

本会は、安全学を多方面から研究・考察することによって、安全学に共通する要素を抽出し、それを基礎として安全学の学問的体系化を図るとともに、地域の事情や特性を重視しつつ、全国的視野での安全学の啓発と普及に努める。本会は、大学、国・地方自治体、民間等幅広い分野において、上記の活動に積極的に参加又は協力する人材並びに組織によって構成し、活動は、品位を重んじ、趣旨に反するいかなる権威や組織にも服することなく、中立の立場で行うこととする。